2018年度に改定される介護報酬の詳細が26日に決まりました。
私たちが「大介護時代」と想定しています2025年、いわゆる団塊の世代が全員75歳以上になり、社会保障費が最大に膨張するとされており、それに対応するためのサービスの維持、人材の確保や向上、効率化などが求められます。
厚生労働省の推計では、2025年度には、介護費用は現在の2倍にあたる約21兆円に膨らむとされ、介護保険料は全国平均で現在の5514円/月から8165円に跳ね上がる見込みです。
改定では、医療との連携やリハビリに積極的な事業者に報酬を上乗せする加算が多く設定された一方で、効率化を目指した引き下げは、利益率が高い大規模デイサービスなど一部にとどまり、全体の改定率は0.54%引き上げられました。
特に、訪問介護の生活援助サービスは自己負担が低い中で利用者は、この5年で3割増える一方、家政婦代わりに安易に使われているなどの批判もあって大きな焦点でしたが、結局45分以上の生活援助を提供した場合、事業者が受け取る報酬を20円引き下げるにとどまりました。
また人手不足は深刻で、有効求人倍率は4に近い状態です。
介護が必要な高齢者は増え続け、2025年には約38万人不足するとも指摘されています。
そうした状況を踏まえ、今回の改定とは別に、政府は来年10月に介護報酬を臨時改定し、勤続10年以上の介護福祉士の月給を8万円引き上げる方針を決めています。
今後は、介護予防をさらに地域で促進するとともに、1割負担の保険制度サービスと実費負担の保険外サービスの組み合わせによる在宅介護の仕組みを地域の実情に併せながら、サポート体制を作り上げていくことが必要だと考えます。