2013年度に確認された高齢者への虐待は前年度より595件多い15952件に上ることが、今月6日に発表された厚生労働省の調査で明らかになりました。
そのうち、高齢者施設内での虐待は前年度より43%多い221件と、過去最多となっています。
この調査は毎年、市町村と都道府県が通報を受けた事例を集計したもので、暴力や拘束などの身体的虐待のほか、年金を取り上げるといった経済的虐待も含まれます。
施設内虐待の原因で一番多いのが、「職員の教育・知識・介護技術の問題」が66%で、次に「職員のストレスや感情コントロールの問題」が26%と続いています。
家庭内での高齢者虐待の原因では、「介護疲れ・ストレス」が26%、「虐待する側の障害・病気」が22%となっていました。
特に、双方に共通している事柄として、認知症の人が被害者になる場合が多く、施設内では85%、家庭内では70%を占めており、深刻化している現状がみられます。
地域における様々な資源を活用できるよう、高齢者の見守りネットワークを身近な地区の中で、さらに充実させていくことで事態の深刻化を防いでいかなくてはなりません。