ひろとBlog

偉大なる言葉の力

 アメリカの第16代大統領リンカーンの「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉は、あまりにも有名である。が、これも実は、わずか5分ほどの短いスピーチの結びの一言であったそうです。

今でこそ、民主主義の根幹を示す演説として、誰もが賛同し、評価するスピーチとなっているが、当時のマスコミは称賛する者もあったが、質の低い演説として酷評する者もあったという。この歴史的な演説は、南北戦争中の1863年11月19日、ペンシルバニア州ゲチスバーグの丘でなされた。戦争中の激戦地であり、国有墓地にして、戦没戦士の霊を弔おうという運動が起こり、この日の式典となったそうです。

 ところで、この式典に主催者は、もともとリンカーンのスピーチを式典にメーンには考えておらず、当時、アメリカで最大の雄弁家とされたエドワード・エベレットの演説がメーンであった。それは2時間に及ぶ大演説であった。
なかには長演説に耐え切れず、途中で帰ってしまった人もいたそうである。それに比べ、リンカーンの演説はまことに簡潔であった。
スピーチもよしあしは長短で決まるものではない。そのことは、あらゆるスピーチにも当てはまる。当然、長い時間が必要な時もあるが、ただ長ければよいというものではない。要するに「時」と「場所」を考え、参加者の“感情”や“機微”を鋭く見抜き、その時々に判断することが重要であろう。

 言葉の力は大きい。それは演説に限らず、小さな集いや、日常の会話であっても同じことだと思います。また、話の優劣は、表面的な上手、下手で評価されるものでもない。

 要するに、人の胸を打ち、納得させていくのは、言葉に何が込められているかであり、相手を「思いやる心」と「誠実さ」そして「高き精神」こそ肝要であり、その人格や人間性が明快な論理となって表れて相手の心を動かし、社会を動かしていくのであると確信します。

 人は人と人との間に生きる動物であり、その間をつなぐものは言葉であることを忘れてはならない。

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