29日夜野田首相は民主党税制調査会において、消費税反対派の説得に
ひるむことなくあたった。
前回の総選挙における同党のマニフェストでは、任期中には消費税は
UPしないとの公約を掲げて政権交代を果たした。
しかし政権与党となって初めて現実を直視したのであろう、無駄の削減で
財源は全くといってよいほど確保できず、とうとう来年度予算は税収を国債が上回る事態(依存度過去最悪の49%)に陥っている。
そうした背景もあってか、今回の民主党の反対派の説得には決してひるむことなく、改革の重要性を訴え続けたことには評価をしたい。
これから越えるべくハードルはいくつもある。
ただ政権公約として掲げた「国会議員定数の削減」「国家公務員給与の削減」など徹底した行財政改革の実現とともに地方分権への加速度を増すべきである。
併せて、ここにきて同党より政権公約を反古にしたとして若手議員中心に離党者が相次いでいる。
しかし、同党のマニフェストは財源確保など実現性への考慮を欠き、すでに破綻しているといって過言ではない。それらを守れという主張には全く説得力がない。
離党議員の多くは、前回の「追い風」選挙で比例選出で当選した議員である。逆風の今回では、自身が生き残るための保身であると批判されても仕方ないと思う。
現に離党後の新党結成への準備や調整が難航していることが何よりの証左ではないだろうか。