アメリカ大統領選も約20か月という長期間にわたっての選挙戦に決着がついた。
バラク・フセイン・オバマ氏が次期大統領への就任が決まった。
「時勢は人を造る」 とは、勝海舟の言葉である。
アメリカは長らく人種という大きな壁の影を社会へ落してきた。
オバマ氏はそれを乗り越え勝利を勝ち取った。決して一人の力の勝利だとは誰も考えても、思っ
てもいないだろう。
エイブラハム・リンカーン大統領の奴隷解放宣言から端を発した人種差別との戦いは、今、史
上最大の大恐慌に匹敵すると言われる金融危機や増大する失業者、そして以前にも触れた貧
困格差の更なる拡大と、厳しい時勢の中で、人種・党派を超えた団結と変革を訴えたのが、勝利
をもたらしたのだと思う。
「あと40年もすれば黒人の大統領が誕生することだってありうる。私はこのことを全く疑っていない」
オバマ氏が誕生した1961年、司法長官だった故ロバート・ケネディが残した言葉である。
1963年8月28日、25万人もの人が人種平等達成へ向けて首都ワシントンにて大行進をおこ
なった際に、マーチン・ルーサー・キング氏が演説で訴えた
「私には夢がある(I Have A Dream)・・・・」
黒人の子どもと白人の子どもが丘の上で一緒に遊ぶ。
このなんでもない簡単な夢が、やっと今、実現しようとしている。
世界は差別のない真の時代を迎えられることを、心から 考え、取り組まなくてはいけない。
そんな事は露知らず、大統領選の結果にさっさと便乗して、はしゃいでいる民主党。
その行為の貧困さに呆れてしまう。
この初の黒人大統領誕生を心から待ち望んだマーチン・ルーサー・キング氏の故郷アトランタに
ある墓には、こんな一文が刻まれています。
「とうとう自由になった やっと自由になった 神様ありがとう 私は今、自由です」