第4回定例会前の合間を縫って、稚内市へ行ってきました。
高久議員と平塚議員が同行しました。
今回は、1年前に議会質問で取り上げた全国初の「太陽光発電所」と、これも全国初となるPFI手法による「廃棄物最終処分場」を訪れてきました。
稚内へは東京から、1日に1便しかなく、併せて気温4度(日中)という寒さでもあり、もっぱら風が強い土地でもあるので、余計に寒く感じる1日でした。
まず、平成18年度より(独)NEDO技術開発機構の委託事業である実証研究体制として、スタートした大規模太陽光発電「稚内メガソーラープロジェクト」です。
委託元は、北海道電力と稚内市。
出力5MW級(一般家庭約1,700世帯分)の世界最大規模の太陽光発電モジュールを設置予定とのこと。
敷地面積は、14haで、東京ドーム約3個分の広さだそうです。
現在は、?期工事まで完成しており、?期工事が進捗中となっています。
今後、実用化へ向けての有効で安定的な発電システムの構築に取り組んでいるとのこと。
しかし、稚内市は従来の送電設備が脆弱(電圧階級が低い)であり、施設では蓄電池(Nas電池)で発電出力をコントロールしている状況となっています。
その後、稚内市の特性である「風」を利用した風力発電も視察。
年間平均風速7mで、10m以上の風速の日が年間90日以上もあることから、風力発電施設は現在、市内74基(76,355KW)の発電量で稼働しており、市内の電力需要の約2/3を賄っているとのこと。
太陽光発電より、数倍の効率と費用対効果が得られているのが実感。
次に、PFI手法による「稚内市廃棄物最終処分場」(覆蓋型最終処分場)を見学。
平成19年度中に埋立満了となる既存最終処分場に代わる、新規施設の開設にあたり、整備運営をPFI事業手法で行うこととして、選定を行ったそうです。
その結果、大林グループが設立した「PFIヤム・ワッカ・ナイ株式会社」が選定され、平成19年10月より供用を開始したそうです。
覆蓋施設とは、施設が4ブロックからなる構成になっており、それぞれを1期から4期に分け、テント型の屋根がブロック
に合わせて移動するフローになっていました。
都心とは違い、土地は広大ですし、周辺に民家はないので比較はできませんが、PFI手法でBTO方式を採用している点に着目したいと思う。
BTO方式とは、PFI事業者が資金調達を行い、施設を建設(Build)し、契約期間中に施設を所有して当該施設の管理運営(Operate)をする手法で、契約期間終了時に当該施設を公共団体に譲渡(Transfer)となります。
この方式は、最近では敬遠される手法で、特に民間事業者が資金調達をするなどがハードルを高くする要因となります。
PFI手法には、様々な方式があり、それぞれにメリットデメリットがありますのでその地域や自治体の特性に合わせた方式をどう選択していくかが問われるのが現状でしょう。
ただ共通して言えるのは、PFI手法が大規模に限定されると大手ゼネコンの独占になることが必須であり、将来的には小規模PFIを展開していかないと地元事業者へのメリットが生み出せないと担当者がしみじみと語っておられました。