昨日、急展開となった中国漁船による海上保安庁巡視船への激突事故、拘束されていた船長が、釈放された。
尖閣諸島における中国と日本の領土問題は、緊迫した状況へと進みつつあった。
政府は、日本国憲法にのっとり、粛々と措置を対応するとの一貫した強気な姿勢であったが、中国側から温首相の直々による批判声明を受け、民間交流中止や観光規制、さらにはレアアースなどの希少金属の輸出を止めるなど、経済制裁的な対抗策に打ってでてきた。
こうした行動には、批判も集中し、特にレアアースについてはWTOから提訴される要因も含んでおり、そうした背景を考えるとかなり強硬な姿勢に転じたといえるであろう。
しかし、私がこの問題に関して最も不安なのは、政府の対応である。
外交は政権与党として最重要であり、テロ対策も含めた緊迫した状況は常に存在する。
今、政府に求められるのは、人と人とが対話による外交、すなわち「人間外交」を主軸としていかなければならない。
そうでなければ、お互いが顔を合わせることなく、探り合ったり、図り合ったりし、結局疑心暗鬼へとつながってしまう。
先のAPECで両国首脳若しくは、外相も出席しているのだから、顔を合わせ、直接対話にて、この難問を乗り越えるしかないだろうと思う。
急に中国が強硬姿勢に転じた途端、釈放に踏み切るのは、「弱いと思った相手が強かったのでやめた」と一緒であり、ならば冒頭から直接対話の人間外交にて対応すべきであったと思う。
もはや中国とは、友好的に互恵関係を築いていかなければならないのだから、歴史的にも小国である我が日本は、毅然として堂々と人間外交にて臨むべきである。