来年度より、世田谷区も大きく組織改正が図られることになった。従来、総合支所に配置されていた「土木課」が本庁に集約されることになり、地域のまちづくりの観点からはたして区民への公共サービスの低下にならないのかが、予算委員会でも議論になっています。ちなみに私の取り組んでいる「水環境」については、新たに「みずとみどりの政策部」が設置されることになり、非常に期待をしています。
しかし、いかに組織体制が完璧でも、そこにいかに多様な人材と人材を、どう的確に結びつけ最大限の力を発揮させていけるかが、最も問われるのではないだろうか。
戦国武将で有名な武田信玄は、この点において類まれな人物であったようです。信玄は、同じような性格の人物を好んだり、似たような態度、行動のものばかりを大事に召し使うことを嫌った。人間は、得てして自分と気の合う人や、使いやすい人ばかりを周囲に集めがちである。そのような大名は欠陥であるとの信玄の言がある。
確かに、現代社会においての企業をはじめ組織での人材登用は課題であり、特に高度成長期における日本では、学歴や派閥、親族などを重視し、真の力ある人材を失ってきた。それによって組織は形骸化し、疲弊し、停滞してきたのである。
信玄は、人材評価と登用の重要性について「国内を治めることは大将一人で叶うことではないから、よき人材を選び出すことが肝要である。これによって、人材の評価を正当に行うことを、大将の第一の誉れ、手柄というのである」と言っている。
これは、いかなる国家や社会、更には、あらゆる次元の組織にもあたはまる普遍の原理であるといえるでしょう。多数の人々からなる組織を、一人の力で維持し、発展させていくことはできない。やはり、多くの人材をいかに集め、力を結集していかなければ、とうてい繁栄は望めないと思う。
世田谷区においても、「組織は人で決まる」この意義を真に実践していくことこそ、改革のカギを握るだろう。