今年は、ゲーテの戯曲「ファウスト」第一部発刊から、ちょうど200年にあたる。
その中で、「気持ちがのっていなくては、いくら話上手でも何にもならんさ。心がこもっていなくちゃあね。胸にぐっとくるものがなくてはだめだ」(池内紀訳)とある。
確かに一人の人の心を動かすものは、表面の褒め言葉でも、薄っぺらな同情でも、社交辞令でもない。
人の心を打つのは、方法ではなく、相手を想う誠実の心であるはずだ。
では、その誠実を伝えるには・・・・・
「書は言を尽さず言は心を尽さず事事見算の時を期せん」とある。
いわゆる、書では言葉を尽くすことはできない。言葉では心を尽くすことができない。さまざまな事柄については、お会いした時を期して話しましょう。ということである。
大切なことは直接会って”語る”ことを大切にしなければいけない。
語った分だけ縁は結ばれるし、縁を広げれば自身の境涯も広がる。
”あの人に会えるのは、今しかない”
と決めて、人と会い、人と語ることこそが、 私の戦いでもあると思う。