毎年、NCI(アメリカ国立がん研究所)は欧米の医療先進国のがん患者の死亡数が、連続的に減少していると発表しています。
ところが医療先進国のなかでは日本だけが、がん患者の死亡数を増やしつづけているのです。
厚生労働省や国立がん研究センターの統計によれば、毎年、がんによる死亡者が約4000人ずつ増えており、その結果、日本の年間がん死亡者数は37万人を超えています。
日本のがん医療の技術・経験的レベルの高さが、世界トップクラスにあることは言うまでもありませんが、死亡者数の増加の要因は検診率の低さにあると言わざるを得ません。
OECD(経済協力開発機構)参加30ヶ国の、2014年度のがん検診受診率は、軒並み70%から80%に達しているにもかかわらず、日本は最低の30%台にとどまっています。
世界と日本のがん医療の変動ははげしく、医療の進展も著しい時代ではありますが、その恩恵を受けるには、自治体やけんぽ組合などの定期的な健診を受ける心構えがなによりの条件になります。