早産や体調の問題で母乳が出にくい母親に代わって、赤ちゃんに別の女性から提供された母乳を低温殺菌して使う「母乳バンク」が注目を集めています。
国内初の施設となったのは昭和大学江東豊洲病院内に設置されました。
世界では、欧米を中心に広く普及していますが、国内では昨年10月に同病院に設置され、運用がスタートしています。
母乳バンクは、自分の子どもが必要とする以上に母乳が出ることを前提に、輸血や臓器移植を受けていない、血液検査に異常がない、薬を飲んでいない、たばこを吸わないなどの条件を満たした女性をドナー(提供者)とし、提供された母乳を低温殺菌処理して、必要とする赤ちゃんに与えるシステムです。
提供された母乳は、殺菌処理の前後に細菌検査で安全性が確認され、冷凍保存。3ヶ月以内に使用されるとのことです。
特に、早産などで出産直後は母乳の準備が間に合わず、赤ちゃんも吸う力が弱かったため、すぐには赤ちゃんに自分の母乳をあげることができない状態があり、そうした状況でも赤ちゃんに安全に母乳を与える仕組みが求められていました。
現在では、昭和大学江東豊洲病院に入院している人に利用は限られており、更なる運用に注目を集めています。