今、東京で注目の展覧会が開かれている。
世界的に評価されているブラジルの現代美術を紹介するものである。ブラジル美術の特徴の一つは、社会の歪を真正面から見据えた「社会性」とされる。
今回はディアスとリートヴェークの二人の展示が注目された。二人は600人のブラジルのホームレスの少年たちに、自分たちの手形・足形を蝋で作ってもらい、展示した。タイトルは「デヴォーショナリア」、日本語では「祈り」。
ブラジルでは子どもが生まれた時、親が成長を祈り、石膏などで手足の形をとる風習があるという。親がいないホームレスの子どもたちは自分の将来を祈り、形をとった。壁のスクリーンには、彼ら一人ひとりの笑顔の映像が映る。その少年たちの今は?「半分は死んだ」とこの作品は語っている。
スクリーンで無邪気に笑っている少年の半数はすでにこの世にいない。大人に殺され、餓死・病死したのだ。
「決して出会うことのない地球の反対側の人の幸福を、真剣に願える心」この精神を持ち続けることが,真の祈りではないだろうか。
未だ戦火の止まぬこの地球、子どもたちの笑顔あふれる地球を!そう願い行動する日々でありたい。