ひろとBlog

小さな変化について

「売り上げが芳しくないのはバス停の位置が10m先にあるからだ。店の前に移せば客は必ず増える」そう考えた店の主人は、深夜にこっそり起きて日に数センチずつ動かし、半年かけて店の真ん中に移してしまった。「さあこれから売り上げが伸びる」と思った矢先、監視員に見つかり、元の位置に戻されてしまった。何かで呼んだ「売れない薬局」の主人の話です。

興味深いのは、店の主人がバス停を動かしているのに監視員に見つかるまで、誰にも気付かれずに事が進んだことではないでしょうか。バスを乗降する人々には日に数センチの変化は映らなかったようだ。

人間大きな変化には敏感だが小さな変化にはなかなか反応しないようである。これが国や政治の世界になると笑い事ではすまされない。ナチスのユダヤ人迫害もいきなり大規模ではなかった・・。初めは当たり障り無く就学や居住を制限し、やがて公職を奪い、選挙権を剥奪し、財産を没収あげくのはてに史上最悪の大量剥奪に到った。

悪の本性は人目を盗みながら、抜き足差し足で巧みに忍び寄ってくるようだ。

ドイツの法学者・イェーリングは「敏感さ、すなわち権利侵害の苦痛を感じ取る能力」「実行力、すなわち攻撃を退ける勇気と決意」を挙げている。

毛筋ほどの悪を見逃さず、即行動を起こす。その一波を起こせる行動人でありたい。

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