「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?」(扶桑社新書)
この本が、大変に面白い。
マスコミや野党の的外れな年金批判に対して、明快な論拠に基づいて痛快に反論している。
著者は細野真宏氏。
著者が年金議論の誤りに気がついたのは、慶応義塾大学の権丈善一教授に出会ってからで、
与野党問わず是々非々で評価する権丈氏だが、年金問題と民主党については
「みずからまともな対案を出すこともなく、年金へのネガティブキャンペーンを張り、メディアはそれに乗り、国民は年金に不安を感じて老後不安を高め、消費を控えて内需を冷やしてきた」
(月刊現代2008年11月号)
と大変手厳しい。
短時間で白黒決着つけようとする放送メディアの在り方には、強い懸念を持っているようです。
複雑な問題を正しく理解してもらうためには、時間をかけた丁寧な説明が必要ですし、逆に中身の
ない短い言葉でレッテルを張れば、国民の誤解を招き、問題解決の道を閉ざしてしまう。
民主党が好む
「年金破綻」「抜本改革」「政権交代」しかりである。
まさに四文字熟語には気をつけろ!であると思う。