双日やJA全農、九州大学などが、空気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する「DAC」技術をトマト栽培に活用する実証実験を進めており、農業用に使われる液化炭酸ガスの代わりにできれば、脱炭素化と農業の効率化が両立できると期待されています。
具体的には、空気中から回収したCO2をトマトのハウス栽培に利用する手法で、このほど神奈川県平塚市のJA全農の施設で行っている実験が公開されました。
通常のハウス栽培では、液化炭酸ガスのボンベを使ってハウス内のCO2濃度を高め、光合成を促進しており、今回の実験では、空気中から回収・濃縮したCO2をハウス内に送り、トマトの成長や収穫量に変化があるかどうかを比較するとのこと。
DACは「Direct Air Capture」の略で、空気中のCO2を固体に吸着させたり、特殊な膜に通したりして回収する技術。
通常は設備が大型で、中小企業や個人事業者では導入しにくい。九大などが開発したDAC技術は、装置の大きさを調整できるため、農業用ハウスのような小規模な場所でも設置できるという画期的な実証実験として注目を集めており、温暖化対策の一環として期待が高まります。