放射線療法や化学療法、手術など医療の進歩により、全がんの5年相対生存率(治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標)は年々上昇しています。
厚生労働省によりますと、がん治療のために仕事を持ちながら通院している人は2010年で男性14.4万人、女性は18.1万人。
その現状を裏付けるように、がん5年相対生存率では、20年ほど前は約53%だったのが近年では約60%近くまで伸びています。
また一方で、内閣府が昨年実施した世論調査では、現在の日本が、がん治療と仕事と両立できる環境にあると思わないと答えた割合が、約70%に上っており、高まる生存率と治療と就労の両立がマッチングしていない実態が浮き彫りになっています。
こうした状況を踏まえ、公明党では8月3日に「がん対策の充実に向けた提言」を厚生労働相に申し入れ、若年成人世代、壮年期世代が治療しながら働くことのできる就労支援を訴えてまいりました。
また、病気療養中に健康保険から支払われる「傷病手当金」も1疾病ごとに休業期間を累積して合計で1年6か月の受給が可能となるよう改善を提案いたしました。
高まる生存率に基づいて、社会環境、就労環境の整備についても更に推進していきたいと思います。