今年は、「国際ゴリラ年」というのを知っていましたか?
先日、京都大学大学院の山極寿一教授の「ゴリラのコミュニケーションに学ぶ」と題する
記事に紹介されていた。
昨年12月、ローマで開かれた国連のボン条約締約国会議で決定されたそうです。
ボン条約は国境を越えて分布域をもつ動物の保全をはかる国際協力協定で、ゴリラの
生息地であるアフリカのいくつかの国にもまたがっているそうです。
近年では、密漁などの激増でゴリラの生息数も激減しているとの調査報告がされている。
ではなぜゴリラの保護や、危機に関心を向けなければならないのか?
その理由は2つあるという。
一つには、ゴリラが私たち人間にとって「進化の隣人」であるから。
ゴリラは、人間と体を作る遺伝子の2%しか違わないそうで、近縁な生物である。
さらに、ゴリラはとても凶暴な性格をもつと考えられてきたが、決してそうではないそうです。
例えば、ドラミング(胸をたたく)は闘いの表現ではなく、コミュニケーションの手段であり、
大きな体と力を闘争ではなく、平和な暮らしに用いてきたことが明らかになっている。
二つには、遠く離れている私たちの暮らしがゴリラを追い詰めているから。
実は、二つめの理由は私たちが使用している携帯電話やパソコンに使われている
”レアメタル”は主にゴリラの生息地から出るそうです。
わずかな現金収入を得るために森へ入った人々が、食糧としてゴリラを狩猟しているとのこと。
どんな些細なことも、小さなことも決して、私たち人間の生活と無関係ではない。
どんなに関係がないと思えても、
どこかで繋がっていることを考えることが大切だと感じた。
それが思いやりの原点かもしれない。