活動報告

福井地震60周年講演会・シンポジウムへ

 28日、北陸地震研究会、福井地域地震研究会主催による福井地震60周年講演会・シンポジウムが福井市フェニックスプラザ(福井県福井市田原)で開催されました。

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もともと建築や都市計画を専門に仕事をしていましたので、災害、特に地震についての政策には強い関心と今、都市災害の減災対策としては何が一番有効なのかを模索していることもあり、昭和23年6月28日に発生した福井県地震の当時の状況や歴史的な災害をいかに教訓に都市が創られてきたのかをこの目で見、聞きたかったので早朝便で向いました。

はじめに、式典では、地震災害で亡くなられた方々に対し、黙祷を行い、西川福井県知事が挨拶に立たれ、続いて主催者を代表して東村福井市長が「災害による減災対策に全力で取り組み続ける」と述べていました。

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また福井県各市から、市長が全員出席をしておられ、60年経った今でも福井県民の方々の心には深く刻まれている災害であったことを知りました。

その後の講演では、

室崎氏の講演

室崎益輝 (関西学院大学)氏から
「福井地震から中越沖地震まで?都市の安全を考える?」
福井地震以降のわが国の地震対策の歴史を振り返りながら、克服された危険性と克服されない危険性のある事をまずおさえたうえで、克服されない危険性を克服するために、何をなすべきかを考える。そのなかから、油断大敵、用意周到、臨機応変、自律連携の4つのキーワードに代表される、「減災」の考え方に基づく、ひとづくり、ことづくり、まちづくりを展望する内容で、

川崎一朗 (京都大学防災研究所)氏から
「地震予知研究を如何に社会に生かすか?」
1995年兵庫県南部地震以降10年の間に地震学は大きく進歩したが、予知は未だに困難である。我々地震研究者としては、予知研究と並行して、現在までの地震学の研究成果を積極的に社会に発信し、社会に生かすことを考えていきたい。そのうちの1つが緊急地震速報である。講演では、アスペリティ、スロー地震、歪み集中帯、丹波山地異常地震活動、活断層評価などの研究成果などにも言及されていた。

昼休みの時間を利用して、当時の震災翌日の福井市内の様子をGHQが撮影した映像が残っており(かなり貴重なフィルムでは・・・)それを見せてくれましたが、本当に市内の建物は全壊でした。有名な大和百貨店の建物の崩壊映像も映っていました。

午後は、8項目にわたる研究発表が活発に行われ(かなり専門的な内容で理解不能に・・・)ましたが、会場内後方には、写真で当時の記録が展示されており、改めて地震の被害を感じました。

終戦後、3年というこれからやっと町並みも生活も戦争から脱却したと思った矢先の災害で、当時の市民の方々にとっては、「なんでまた・・・・わたしたちだけ」との辛い思いが伝わってきた。

それでも人々は諦めることなく、底力で一歩一歩と復興に力を注いできたからこそ、今があるのです。

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