オリンピック発祥の地アテネにおいて、日本選手の大健闘が連日にわたって報道されている。ここ10数年来、ここぞという本番にメンタルの弱さを露呈する姿を目の当たりにしてきたが、今回のオリンピックについては、何かが違う気がしているのは、私だけではないと思います。
一昔前までは、お国のためだとか、周りの期待に応えるためにと過剰な期待を勝手に選手に押しつける傾向があったように思われる。が、メダルを獲得した選手達のインタビューを聞いていると、国内での過酷な選考の中で何千、何万人もの競技者を蹴落として、日本を代表してこの地に来ている、出れなかった人々の血の滲むような思いを受け止めて、戦うという気持ちが自然に溢れ出ているように思えてならない。もちろん会場での応援もどれだけの励みになっているだろうか。人のために悩み、考え、動き、尽くし、約束を果たす、そこにこそ人間としての無限の可能性を引き出す最大限の要因があるのではないだろうか。