近年、街中や主要な公共交通機関施設で見受けられる「多機能トイレ」。
車椅子でも入れる広いスペースに、様々な機能を兼ね備えているバリアフリー型なっていますが、かえって利用者が集中し、肝心の障がい者が待たされるケースが相次いでいます。
そこで、国土交通省は新たな指針の改訂に踏み出しました。
そのポイントは以下の4点。
1)車椅子の方が待たされることのないよう、多機能トイレに集中している設備を一般向けトイレなどにも「分散」させる考え方を基本とする。
2)障がい者が使えるトイレを増やすため、一般トイレを改良し、出入り口を広げたり、オストメイト用の洗浄器を付設。
3)専用トイレを設ける場合は、乳幼児連れ用も設ける。
4)多機能トイレだけでバリアフリー化する場合は、できるだけ複数設ける。
しかし国の指針は改修の期限を示しておらず、多機能トイレの行方は、トイレを設置している自治体ばどの判断に委ねるとなっている。
こうした豪華な多機能トイレは日本特有のもので、機能の付設だけを充実させるのではなく、今後は間口を広げたり段差をなくしたりして、一般トイレをバリアフリーにすることを強化していければ、豪華でなくても障がい者が最低限使えるトイレは増える。との指摘もあり、更なる議論が必要だと思います。